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2015.01.26

学校だより「真砂」第306号

                        「 育 て る 」 と は
                                          生活指導主任  小 林  一 郎
  「教育」という言葉は,「教える」と「育てる」と書きます。この「教える」と「育てる」の違いは何でしょうか。それぞれの意味を調べてみると,「教える」とは,知識や手法の伝達,「育てる」とは,本人の成長を手助けすること,だそうです。なので,漢字や計算の学習は主に「教える」の方になります。では,「育てる」はどこで行なわれているのでしょうか。人は,自分で成長するものです。周りにいる者は,その子が育つきっかけや補助となることしかできません。子ども本人が「そうなりたい」と思ったり,「そうすることが大切なんだ」と気付くまで,課題を与えたり,何度も伝え続けたり,背中を見せたりして見守っていくことが大事です。そう考えると,「育てる」場は,家庭であり,学校であり,地域です。人や社会とかかわり合う中で子どもは「育つ」きっかけを自分で見付け,自信を付け,成長していくものです。
 さて,同年齢の子ども同士で生活することが多い学校生活の中で,唯一異年齢集団が一緒に活動する場が縦割り班清掃です。年齢だけでなく,性格や考え方も違ういろいろな子どもたちが共通の目的に向かって清掃をしている間に,ちょっとしたトラブルが発生することがあります。そんな時に,大人がすぐに正しいあり方を説いて教えるだけでは,子どもが「育つ」絶好のチャンスを奪ってしまうことがあります。それぞれが自分の言動を振り返り,お互いの気持ちを見つめ直すことでよりよいかかわりのあり方を身に付けていくことでしょう。トラブルを活かして考えさせる。これもひとつの「育てる」ではないでしょうか。

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              5年生 総合的な学習「食生活を見直そう」

4月~
 「大豆が使われている食品で知っているものは?」の問いかけに、子どもたちは「味噌・豆腐・納豆・豆乳」等々...。食生活で当たり前に目にする食品ばかりです。このように食材として欠かせない「大豆」。そんなに身近なものであるにもかかわらず、実際に育てて収穫するという経験がなかなかありません。そこで、子どもたちにもっと大豆を身近に感じてほしいと考え、総合的な学習の時間で、詳しく調べたり、実際に栽培したりしていくことにしました。
 まず、本やインターネットで育て方を調べました。それを基に、小規模ながらも学校の畑にマルチをかけ、大豆を植えました。大豆栽培のスタートです。教室でも小ポットに植え、観察しました。途中、何度か畑の雑草を取り除き、生長を見守りました。

9月下旬 
 春に蒔いた大豆が、秋に何倍にもなって、収穫できました。大豆の観察と並行して、大豆の栄養や種類・歴史についても調べていきました。特に栄養については、たんぱく質をはじめ、様々な栄養素が含まれていることで、健康食品とし注目を浴びていることを改めて認識した子どもたちです。

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     4月                9月下旬    

11月下旬
 収穫した大豆を使って料理をしました。子どもたちは本やインターネットで、調理法を調べ、必要器具を揃えて準備しました。
 調理当日、大豆を使った料理は・・・、大豆粉ケーキ、大豆粉マフィン、大豆粉クレープ、パンケーキ、豆腐、豆乳マフィン、投入プリン、ゆば、入り大豆、きなこ、とバラエティーに富んでいました。うまくできずに手こずるグループもありましたが、大豆の風味を感じながら、おいしくいただきました。

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1月~
 大豆を育て、調理する活動を通して、私たちの「食生活について見直そう」と呼びかけました。現在、「食」をテーマに日本の食料問題など、一人一人が興味をもったことをプレゼンテーションソフトでまとめる活動に取り組んでいます。今後、それを参観日等で発表する機会を設けていきたいと考えています。

#真砂っ子のNOW