3年2組は算数の授業でした。表を棒グラフに整理し直す活動でした。担任の先生はわざと不足している場面を用意して子どもの気づきを促します。「黒板に書いたグラフのシート、何か足りないよね」と、子どもたちに問いかけると、一斉に手が挙がります。

でも、すぐに答えさせません。ノートに自分の気付いたことを書かせ、一人一人の思考を保障します。

さらには、教科書も上手に活用します。一方的に書き方の手順を説明するのではなく、子どもに印を付けたり、音読させたりしながら、身体活動を取り入れながら、理解の定着を図ります。

定規を使いながら一生懸命グラフをかいています。

隣の3年1組では図工をしていました。きれいな夕焼けだなーと見とれていたら、子どもが国語で学習した物語がテーマになっていることを教えてくれました。「ワニのおじいさんのたから物」というお話です。

主人公の「オニの子」は、宝物という言葉の意味を知りません。過去に鬼ヶ島で桃太郎に退治されて以来、オニたちは宝物にふれる機会を奪われてきたという設定のお話ですが、主人公は最後に美しい夕日に出会い「これが宝物か!」と心を打たれます。この絵を描いた子は、その物語の場面を自分なりに再構成して描いたようなのです。

その他にもこの物語から想起したことや、自分なりの解釈を加えた素晴らしい絵がたくさん生まれました。

他にも「すいせんのラッパ」というお話で絵を描いている子もいました。すいせんの花はラッパの音色で生き物たちを朝起こしてくれたり、素敵な曲でみんなを楽しませたりしてくれるブラス隊です。

学校教育ビジョンで目指す「創造力」を発揮する子どもたちの姿にたくさん出会うことができました。物語の行間に思いを馳せながら描く世界は子どもたちの中できっと広がり続けていることでしょう。
