4年生が,慣用句を国語辞典で調べていました。五十音順に並んでいるたくさんの言葉の中から,調べたい語句の意味を探し出していました。子どもたちの様子を見ていると,最初は一つの語句を調べるのに時間がかかっていましたが, だんだん辞書を引く時間が短くなっているようでした。
「やっと 自分で 調べることが できた!」
一つの語句を見つけて,つぶやいた人がいました。
タブレットで調べる方法もあるのかもしれません。でも,子どもたちの様子を見ていて,辞書の大切さを感じました。五十音順に並ぶ言葉の中から知りたい言葉を探し出す時,調べていくうちに,目と脳と指がフル活動して,少しずつ早く引くことができるようになってきます。見つけ出した語句の言葉を声に出して読んでいる人もいましたし,意味を書き写すことで,さらに鉛筆から脳に伝わる感覚があるはずです。
「終わった人はプリントをノートに貼りましょう。」と先生が言った時のことです。「ノートに貼れないや・・」と 小さく つぶやいた人がいました。前に座っていた人が,スティックのりを自分の机から取り出して,その子に無言で渡していました。もらった人は貼り終わってから,「ありがとう」と言いながら,前の人に返していました。
小さな出来事でした。でも,「ノートに貼れないや・・」という一言を背中で聞いて,鉛筆を止めて,友達のために机の中から糊を出して,だまって手渡していた行動に,言葉で表すことができない温かさを感じました。