
ひよこ組のAさんは自分の描いた絵にセロテープで飾りを貼り付けようとしていました。でも思ったように貼り付けることが難しい様子でした。
担任が,「貼り付ける経験を積ませると,今うまくいかないことが解決され,ものを作ることへの関心が高まるかもしれない」と考え,その子どもの隣でキャンディ作りを始めました。
「キャンディ」はストローに四角や丸の形に切り抜いた色画用紙をセロテープで留めて作ります。変わったことを始めた担任の様子を隣でじっと観察したAさんは,真似をしてキャンディ作りを始めました。気が付くとすぐ近くにいたBさんもキャンディ作りを始めました。すごい集中力で,一言も発することなく一生懸命作ります。セロテープを貼るところになると担任や友達の様子に目を凝らします。
セロテープを使うことにはいくつものステップがあります。
1 テープカッターのテープを適切な長さに伸ばす。
2 ちょうどいい長さの所を金具に付ける。
3 テープを少しひねって切り取る。
4 切り取ったテープが,くっついて丸まってしまわないように両端を持つ。
5 両端を引っ張ってテープを伸ばして目的の場所に貼り付ける。
このステップをクリアしたときに,セロテープを使ってものとものとをしっかりとくっつけることができるのです。ひよこ組のお友達の中には片手で簡単にセロテープを使いこなす子どもも現れました。真似をすること,慣れること,コツをつかむこと・・・様々な場面で様々な道具を使う経験を積み重ねます。
テープを使うことに困っていたAさんは・・・もう片手でテープを上手に使っていました。しっかり学んでコツをつかむことができました。