小林小学校では、「考えを深める子ども」を重点事項に掲げています。教職員は、日々の授業を振り返り、学力向上・授業改善の取組をしています。校内研修では、担任が特に力を入れた単元の授業を公開し、教職員で学び合いをしています。11月後半~12月に、4人の教員が授業公開をしました。
チャレンジ2組は、生活単元「クリスマス会をしよう」の中で、招待する相手へのインタビューの仕方を考えました。子どもたちは、模範例の動画を見ながら、相手の目を見て話す、お礼の言葉を言う、などインタビューのやり方を確かめました。自分の様子を動画で撮影して見てみると、「ちょっと声が小さかった。これじゃ聞こえないから、もっと大きな声で話そう」「ぼくは顔が下を向いていたな…次は、相手の顔を見るようにしよう!」と、自分の課題と相手へ気持ちよくかかわる態度に気付いていました。授業後の協議会では、適切な言葉を用いる大切さや、要点を明確にした指示の重要性も再確認しました。
5年生の算数「図形の面積」の様子です。初任者研修を兼ねての公開授業でした。まずモニターに表れたのは様々な形をしたうどんのお揚げの画像でした。授業者は「できるだけ大きなお揚げを食べたいです。どの形のお揚げが一番大きいでしょうか」と問い掛けました。既習の図形は面積を求められますが、さて三角形は…?という疑問を学習課題につなげました。多くの子どもたちは三角形のカードの上端や側端を切って移動させ、長方形に変形させることで面積を求められることに気付きました。児童が表した考えを統合し、どうやって公式を導き出すかによって、この授業が意義あるものになる、と参観した市総合教育センターの指導主事からご指導をいただきました。
2年生の算数「かけ算2」は、チョコレートの数をかけ算を使って求める方法を、図・言葉・式を使って表しました。ドット図を○で囲んだり、区切り線を入れたり、並び方を変える矢印を書きこんだりして、自分の考えを表していました。自分と違う数字で式を立てた仲間同士で、「どうしてそういう式になったの?」「あのね、ここを上と下で区切ると、こっちは○×▲、でこっちが◇×■になるの。だから…」と、互いの考えを学び合う姿が見られました。全体共有では、子どもたちに大きく描かせたワークシートが有効活用されていました。協議会でも、仲間と交流するツールや学びの足跡として残るワークシートやノートの有効性が話題になりました。仲間の考えた方法も試してみたくなった子どもたちは、同じ日にもう一時間分、算数の学習に意欲的に取り組んでいました。
3年生は体育「ソフトバレーボール」です。「パスがうまくつながらない」という子どもの困り感を生み出し、「どうしたら4人でもパスがうまくつながるか」という学習課題を立てました。子どもたちは、成功例と失敗例の動画を見比べて、「○○さん、って名前呼んでいるね」「誰が取るか、声に出すとうまくいきそうだね」と、課題解決の見通しをもつことができました。技能面では未熟な部分もありましたが、相手の名前を呼んだり、「いくよ!」と視線を送ったりして、チームプレーへの思考を働かせながら運動する様子が見られるようになりました。安全に留意した運動の場づくりや的確な指示の出し方など、体育授業の要点も職員間で学び合いました。
10月から行ってきた校内研究授業の各協議会では、成果とともに、課題点もたくさん挙がりました。見付かった課題点は、授業をした教員はもちろん、参観した教職員全員にとっても授業改善へのヒントになります。自分ならばどう問いかけようか、次はどんな題材で考えさせようか、子どもが表現するツールを変えてみようか…など、よりよい授業への研究は飽きることがありません。これからも「自分の考えをもち、分かりやすく表現する」力を伸ばし、子どもたちの「分かった!」「できた!」が増えるよう、指導・支援に注力していきます。