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2026.01.28

言葉がつなぐ心と学び ~研究大会で得たもの~

言葉は、単なる情報を伝えるための道具ではありません。その土地に根づいた文化や、
相手を思いやる人の心が、そっと込められています。


市内のある地域では、道端ですれ違ったお年寄り同士が、こんな言葉を交わすことがあ
ります。
「おめさん、はかいったかね」(あなた、仕事ははかどりましたか?)
「いいやねぇ、ぜんぜんだめらてばぁ」(いいえ、全然だめでした。)
「そんげんなら、しねばいいこってね」(そんなに一生懸命しなくていいんだよ。)

文字だけを追えば、思わず耳を疑ってしまうようなやり取りですが、そこに流れているのは、「今日の仕事はどうでしたか」「無理をしなくてもいいのですよ」という、相手を気遣う温かな思いです。声の調子や表情、場の空気と結びついたとき、言葉は本来の意味をもって人の心に届くのだと、あらためて感じさせられます。


それは、子どもたちの言葉も同じです。
教室でよく耳にする「これ、ちょうかっこよくない」という一言も、語尾が少し上がるだけで称賛になり、下がれば否定にもなります。実際に顔を合わせ、やり取りを重ねていれば誤解は生まれにくいものですが、文字だけのやり取りでは、思わぬ行き違いが起こることもあります。


だからこそ当校では、日々の学習や生活の中で、役割の交流・思考の交流・感情の交流の三つを大切にしながら、互いの思いを確かめ合う対話ある学びを重ねてきました。自分の考えを伝えること、相手の思いに耳を傾けること、その積み重ねを、何よりも大切にしています。こうしたコミュニケーションを土台とした学びは、学力の向上にも確実につながっています。


1月11日に開催された全国算数授業研究大会新潟大会では、300名を超える教員が来校され、教室によっては八十名もの教員が参観する中で、子どもたちは普段通りの姿で授業に臨みました。

授業後、ある子が思わず「こんなに面白い算数の授業は、生まれて初めてです!」と声を上げると、そばにいた友達が「そんなこと言うと、担任の先生に失礼だよ」と、そっと気遣う場面がありました。学ぶことを楽しみながら、人との関係を大切にしようとする子どもたちの姿に、教室全体がやさしい空気に包まれたひとときでした。


参観された教員の皆さんからは、「本当に落ち着いた学級ばかりで皆さんよい子たちですね」「自分の考えを素直に言葉にしていますね」「友達の思いを受け止めながら話し合えていますね」「根気強く最後まで集中して考えていましたね」といった言葉を数多くいただき
ました。

これらは、研究大会という特別な一日の成果ではなく、日々の対話を重ねる中で、考える力、伝える力、そして学力が、着実に育ってきた証であると受け止めています。

これからも当校では、言葉と文化を大切にし、人と人とのつながりを学びの土台として教育を進めてまいります。子どもたちが、自分の思いを安心して表現し、仲間と関わり合いながら学びを深めていけるよう、教職員一同、心を一つにして取り組んでまいります。

保護者の皆様のご理解とご支援に、心より感謝申し上げるとともに今後も変わらぬご支
援をお願いしてお礼とします。

#校長室